ニュージーランドで看護師として働く ~病棟の看護師さんの視点③~

以下、病棟で働いている看護師さんに書いて頂いた文章です。他にも興味があることがあればseiri45@yahoo.co.jpにメールなど頂ければ幸いです。 基本的に患者さんは、術後1日目にICUから病棟に戻ってきます。病棟では早期離床をすすめ、ほとんどの患者さんが術後2日目には歩き回るようになります。先生のブログにもありましたが、心臓弁置換でもバイパスでも、心臓手術後の在院日数は5日を目標にしていま…

長い待機時間

ニュージーランドの医療の問題の一つとして、手術までの待機時間がとても長いというのがあります(公立病院で手術する場合)。 どれくらい長いかというと、先日6月にCABGをした患者さんは、2枝トータル、LAD 70%狭窄の方だったのですが、冠動脈造影をしたのが昨年の12月でした。半年もよく待ったなと思って「なんでそんなに待ったの?」と患者さんに聞いたら「いや別に。順番だって言われたよ。」とのことでした。…

胸、腕、足に入れ墨

こちらでは入れ墨のある人を多く見かけます。先日のCABGの患者さんは胸の真ん中、前腕、下腿に愛する家族の名前を彫ってありました。 正中切開で橈骨動脈と大伏在静脈を用いたので、その患者さんの奥様と息子さんと娘さんの名前を真っ二つにして、それを手術の終わりに文字を綺麗に縫い合わせるという作業をしなければなりませんでした。 最後の皮膚を縫うのに神経を使いました。 月岡 祐介卒業年度:2007年 留学前勤…

研修医くんに物凄くあせらされた事

先日、冠動脈バイパス術をさせてもらった時の事です。 手術を見たことがない研修医スティーブンが第二助手で入ってくれました。前立ちはMr.ミルソンがやって下さいました。60歳代の元部長で、普段は穏やかでとても優しいけども、手術中は豹変して物凄く怖くなってしまう人です。スティーブンはテンションが上がってずっとなんやらかんやらしゃべっていました。Mr.ミルソンも機嫌よく見ていてくれました。 LIMAをLA…

見学の学生さん

結構いろんな国から見学の医学生さんが来ます。レジストラにランダムに割り当てられます。 数か月前に約一カ月間、ヨーロッパ(非英語圏)から透き通るような美人の医学生さんが見学に来て私に割り当てられました。どこまで手技をやらせていいのかわからなかったので、そういうルールに詳しい事務員のシルビアに聞いてみたら、「ユースケの自由だよ」と言われました。そもそも冠動脈がいくつあるかも知らない学生さんにどれくらい…

オーストラリア・ニュージーランド専門医試験結果発表

先週、オーストラリア・ニュージーランドの心臓胸部外科専門医試験の結果発表がありました。 以前ブログでも書きましたが、この試験はものすごく難関です。心臓胸部外科のトレーニングプログラムに入ることができるのが100人中5人くらいで、その選ばれし者達(トレーニーといいます)が6年間トレーニングを受けてやっと専門医試験を受ける資格を得ます(今までに5人のトレーニーと仕事をしましたが、皆物凄く優秀です)。今…

Absconded!

先日の夜のオンコールはとても忙しくて、夜中もコンスタントに電話が鳴りました。 やっと落ち着いたかなと思った朝6時半に病棟から電話がかかってきて、「The patient in room 2D has absconded!」と言われました。恥ずかしながらその単語を知らなかったので、「それどういう意味?」と聞いたら「失踪したってことだよ」と教えてくれました。退院間近ではあったものの、日本だったら結構騒…

インド人達の隠し事

インド人同僚は5人いるのですが、みんなマルチリンガルです。ヒンディ(インドの標準語)・出身地方の言語・英語の3言語は最低限話せるようです。すごいですよね。 そんな彼らは、あまり人に知られたくない話題を話すときはヒンディを使います。そして、同じ出身地のインド人同士で秘密の話をする時は出身地の言語を使っています。何の話をしているのかは分かりませんが、噂話や不満について語っているようです。 面白いのは、…

ミロを飲んでみろ

ネスレ社のココア風味麦芽飲料のミロは実はオーストラリア生まれです。1934年に開発されました。英語圏ではマイロと発音するようです。 ブリスベンでもニュージーランドにも看護師さん達の休憩所にはミロ(マイロ)が置いてあります。カフェインがあまり入っていないので、私は好んで飲んでいます。 朝回診をした後に、ミーティングまでの待ち時間にのむミロは最高です。 月岡 祐介卒業年度:2007年 留学前勤務:イム…

ウェットラボ用のグラフトをどう調達するか

前回のブログでも述べたように、豚やYoucanを用いたウェットラボ・ドライラボを今までに6回ほど開催させてもらっています。 ウェットラボで当初問題となったのはグラフトをどう入手するかということでした。オペ中に採取した静脈で余ったものを頂いて使用するという案もあったのですが、ニュージーランドの特にマオリの方達は余ったものも持っておきたいという方もいらっしゃるので、出来ませんでした。(実際、手術の同意…