そんなに言わんでも、と思った手術

2018-04-03

移植でした。今日はアンドリュー(新人胸部外科レジデント、シカゴ大学レジにしては珍しくちゃんとしてる人)が心臓摘出、僕が植えるという布陣で臨みました。

アンドリューは心臓外科をはじめて2ヶ月目とかでしたが、はじめてのポンプのせ、はじめての心臓摘出をやっていました。施設にもよるのでしょうが、早めに手術やってる感はアメリカっぽいな、と思いました。アンドリューはイケメンかつ高身長、優秀、と高スペックガイなのですが、術中はなかなかストラグリング(もがき苦しむ)してました。というのも、おそらく手術をやらされるとは思ってなかったみたいで、わりと丸腰で臨んでおり、なんならポンプのチューブの切り方の段階で「おい、1ヶ月も見てきたのに覚えてないのかよ」とチーフに怒られてました(あるいは覚えようという感覚がなかっただけなのかもしれませんが)。その後も全ての手技で「おい、何やってるんだよ、違うだろ」、「俺がやってるようにやれよ」、「全部意味があるんだから」と言われ続けてました。というか、最初のチューブ切るの間違った時点で覚えてないですよ感丸出し君だったので「もう許してあげて、これ以上今日の彼からは何も出てこないから、明日に期待しましょ」と心の中でチーフに語りかけていましたが、その思いは通じず、ずっとおんなじ事言われ続けてました。かといってお取り上げされることはなく(逆に辛そうでしたが)、最後まで「俺のやり方見てたのになんで覚えてないんだよ」と同じセリフを言われ続けながら心臓摘出が終わりました。アンドリューにとっては地獄だったのでしょうが、アテンディングが我慢強く手術をやらせる姿勢は、アメリカっぽいな、と思いました(シカゴしか知らないですけど)。そんな感じで終わりました。心腎移植なので今頃腎の人がわちゃわちゃやってることでしょう。

 

北原 大翔先生(m3.comでコラム、MediGateで週刊北原を連載中)への質問はこちらまで↓

メール:kitaharahiroto@yahoo.com

卒業年度:2008年
現在勤務地:シカゴ大学
所属:心臓胸部外科
役職:クリニカルフェロー

2016年の9月からシカゴ大学の心臓外科でフェローとして働き始めました。何かあればブログに書いていこうと思ってます。質問などあれば気軽に連絡ください。

メール:kitaharahiroto@yahoo.com

face bookアカウント:北原大翔~モテたい心臓外科医、米国へ渡る~

5件のコメント

  • 北原 大翔 2018-04-05 at 11:15 PM

    卒業してまた新しいレジデントがきて同じことを繰り返ししていくって結構修行ですね。

  • Takebe 2018-04-05 at 10:31 AM

    真の匿名でてきたな笑。
    でもレジデントも卒業していくという…笑

  • 北原 大翔 2018-04-04 at 9:45 AM

    なんなら最後の方逆ギレっぽい感じ出してましたね。
    教える側の余裕がないとできないことなんでしょうね。

  • 真の匿名 2018-04-04 at 6:37 AM

    この経験が彼を急速に成長させているのは間違いない。はじめのうちは教える方も本当にpainfulだが、レジデントの成長とともに指導する側も非常に楽になってきて、手術室に滞在する時間も大幅に短縮される。その分他の仕事に専念できる。残念ながら、これを実践できている日本の外科医はほとんどいない。自分がやらなければならない、自分しかできない、という勘違いは自らを不必要に忙しくし、自分自身のクビをしめている。残念な話である。

  • takebe 2018-04-04 at 6:04 AM

    無理やりやらされてる感が、逆に恐ろしいな笑

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です