ロボット 自動吻合器の落とし穴

2018-06-08

ある日、ロボット冠動脈バイパス手術がありました。シカゴ大学のロボ外科医はバイパスの時ほぼ全ての末梢吻合を自動吻合器で行います(内胸しか使わないので末梢吻合しかないですが)。c-port flex A anastomotic connector とかいうカッコいい名前がついてます。学会とかでc-portって言っていいのか、flex Aがいいのか、anastomotic connectorがいいのか悩みます。当のロボ外科医バルキーも気分で言い方を変えるので困ります。実際にはそんなに困りませんが。

本題に戻ります。開存率どうなの?とか、遠隔期どうなの?とかいう疑問はたくさん投げかけられそうですが、その日もご機嫌でガチャンガチャンと吻合していました。毎回吻合後にフローを測り、だいたい平均して80ml/minくらい流れるのでご機嫌で手術を終えるのですが、その日は2ml/minと明らかにうまく吻合されていませんでした。「やり直しだ」と言った後のロボ外科医バルキーはいつもの陽気な感じを残しつつも、いわゆる外科医のすごみみたいなものが滲み出している雰囲気でした。

そんな中新人麻酔科のパトリック(ラテン系)が「なんでまだ終わりじゃないの?なんで繋いだ血管を切ってるの?」とヘッドセットでみんなに聞こえるように空気読めない質問を投げかけていました。少年のようでした。その後もフレックスエーの一部分が吻合前に外れてしまったり、フレックスエーの在庫が残り少なくなってたりと、だいぶ辛い感じになっていました。そんな中パトリックはなぜかLADをスネアするタイミングをしつこく聞いており、そこに命をかけているようでした。あまりにしつこく「今スネアしてる?これスネアする道具?スネアした?」と聞きまくっていたので流石のロボ外科医バルキーも「スネアのことはいいから、ACTを教えて」とややキレながら言っていました。あ、怒ってる、と思いました。それでも最後は「今からスネアするよ」とパトリックに教えてあげていて、パトリックは大きな声で「サンキュー」と言ってました。大きな声大事だな、と思いました。手術は終わりました。

卒業年度:2008年
現在勤務地:シカゴ大学
所属:心臓胸部外科
役職:クリニカルフェロー

2016年の9月からシカゴ大学の心臓外科でフェローとして働き始めました。何かあればブログに書いていこうと思ってます。質問などあれば気軽に連絡ください。

メール:kitaharahiroto@yahoo.com

face bookアカウント:北原大翔~モテたい心臓外科医、米国へ渡る~

2件のコメント

  • 北原 大翔 2018-06-09 at 6:15 AM

    あるんです。下準備とロードするのに時間がかかるので、手縫いと時間的にはあんま変わりません。

  • たけべ 2018-06-09 at 5:53 AM

    末梢の自動ふんごうきがあるんだ!

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