2008年現在、若手心臓外科医の多くは、一人前の心臓外科医になるための適切な研修をどのようにして受けることが出来るか、悩んでいます。研修の場を海外に求める心臓外科医が後を絶たないこと、昨今の心臓外科に対する社会からの要求、などより、日本の現状の研修制度は満足のいくものではないと多くの心臓外科医も考えており、近年、専門医の修練制度の見直しなどが行われていました。

 そのような背景の中、2008年6月に東京医科歯科大学の宮城直人医師とコロンビア大学の高山博夫医師が、ボストンで行われたISMICS (the International Society for Minimally Invasive Cardiothoracic Surgery)のinternational fellow's sessionに招聘されました。

 このsessionでは、世界各国の心臓外科研修状況が発表されましたが、日本の研修状況が他国と比較して制度面で諸問題を有することが明らかになりました。これがきっかけとなり、日本の心臓外科研修制度を含め若手心臓外科医を取り巻く諸問題を自ら検討するための、若手による会の設立が必要であるとの認識で両医師が一致し、本会の設立を目指すことになりました。

 その後、三重大学の高林新医師の賛同・参加の下、2008年10月の日本胸部外科学会に併催する形で第一回若手心臓外科医の会が開催されました。

 国内外から19名の若手心臓外科医を招請し、様々な心臓外科を取り巻く状況についての話し合いが持たれました。1時間の予定が2時間を越えて議論が交わされ、有意義な会合となりました。地域、医局や、成人・小児の枠組みを外したこのような会は今までに前例がなく、大いに意義があると考えられ、今後も会を継続していこうという機運が高まりました。

このような経緯から、「若手心臓外科医の会」は以下のような趣旨を掲げて発足いたしました。


今後も新たな試みを進めてまいる所存です。


  1. 日本の若手心臓外科医の技術と知識の向上を目指す。
  2. 地域や医局の垣根を越えて議論する事により日本の若手心臓外科医全体のレベルアップを目指す。
  3. 若手育成において指導的立場の講師を招き講演していただくことにより、若手心臓血管外科医の意識向上を即す。
  4. 心臓血管外科における指導医と修練医の双方の立場を尊重しより良い医療を提供する。
  5. 国際的視野から日本の社会的背景を考慮し,効率のよい医療制度を検討する。
  6. 日本の若手心臓外科医間の交流・意見交換の場を提供する。