ポパイブログ V1.2.2.2

2017-04-03

お邪魔いたします。シカゴ大学太田です。

三つ子の魂百まで。
これは本当だと思います。
研修医1年目の時に上司にこんなことを言われました。
「最初の2−3年がその後のその人の医師としての取り組み方を決めるので、がむしゃらに頑張りなさい」
これも本当だと思います。

所変われば品変わる、なのでしょうけど、日米の医療体制の習慣の違いに「情報のシェア」に関する意識の違いがあると思います。私が手術室に居ようが、家に居ようが、休暇でハワイに居ようが患者に関する重要な情報はすぐに連絡が入ります。先方にとっては私の立場上連絡しないとしょうがないという側面があるのは事実だとは思いますが、逆に私が知り得た情報や、手術室での所見などもICU医やナース、私のチームのPAとフェローとすぐに共有します。そのため同じ情報を何度も違う人にプレゼンするのも日常茶飯事です。本当に大切な情報はカルテには載っていなくて、人と話して仕入れる傾向が強いと思います。逆に、日本にいた時、特に昼夜問わず病院に住み着いて頑張っていた研修医の時代には、私のいた施設では、「皆まで言うな」「言わずとも承知」「情報が欲しいならカルテに書いてある」「知っていて当たり前」等の文化が浸透していた印象で、人と人の面と向かってのコミュニケーションが極端に少なかったと記憶しています。また研修医は現場にいて当たり前、常に情報をモニターし続け、何かあればすぐに上司に「ホウレンソウ!報告、連絡、相談」。慣れてくれば自分だけで問題を解決をしたいという欲求が芽生え、上司へのホウレンソウを怠る、もしくは渋る傾向が出てきて、ナースに「上司に伝えたんですか?」とか「「上司に聞いたらどうですか?」とか言われるとちょっとイラっとした記憶があります。人の知り得ない情報を持っていることで優秀だと錯覚したりもしくは錯覚させる戦法が成り立つ状態だったと思います。逆に上司が研修医に電話して情報を与えるといったことはなく、何かあった時に現場にいなければ研修医側に問題がある、と認識されていたと思います。結果的に研修医は何もなくてもベットサイドに詰めていることになり、いつ起こるかも分からない緊急事態に備えて病院でウダウダしているといったライフスタイルになっていたと思います。私の場合はそれが別に嫌ではなく、むしろ好きでやっていましたし、この習慣のおかげでよく学ぶことができ今の自分があるのだと思います。そのようなライフスタイルのたくさんの医師の先生方の個人の自己犠牲の上に日本の医療が成り立っているとよく言われますね。私は好きでやっていましたので、自己犠牲という言葉の選択は正しいかどうかは分かりませんが、内容に関しては概ね事実だと思います。日本のそれとは全く別の道を選んだアメリカの医療システムは、一人が転けても組織全体は倒れないように構築されていると思います。その基礎を支えるのが「情報の共有」だと思います。日本におけるやる気のある一人の医師に頼るシステム上、その医師さえ情報を持っていればいい訳で共有する意味があまりない、対して個人の織りなす組織全体で患者を支えるアメリカではチーム全体が最新の情報を共有する必要がある。情報を個人的に取り込み専有することで評価が上がる日本と、情報を広く共有することで評価が上がるアメリカにおいては、「ホウレンソウ」もまた違う意味合いがあるのだと思います。

写真:北原先生は日本の文化で鍛えた情報収集能力と、アメリカの文化で学んだ情報共有能力をいかんなく発揮し、公私にわたりあらゆる情報をホウレンソウしてくれます。しかし、そんな北原先生もたまにはミスをします。先日ふと当ブログを拝見さていただいているとオペナース達とよろしくやっている写真が掲載されており、そしてピースに関する議論があったようですね。このような最重要事項のホウレンソウが抜けるとはけしからん!ってことでオフィスに呼び出してイエローカードしておきました。情報は迅速かつ正確に!私はただのピースではなく「ダブルピース派」です。写真はMVR, TVr, LVADを執刀中の北原先生を横目にダブルピースな私と専属ナースです。

 

卒業年度:2008年
現在勤務地:旭川医科大学
所属:心臓外科

2018年の8月にシカゴ大学の心臓外科フェローを終えました。質問などあれば気軽に連絡ください。

メール:kitaharahiroto@yahoo.com

face bookアカウント:北原大翔~モテたい心臓外科医、米国へ渡る~

4件のコメント

  • 北原 大翔 2017-04-10 at 6:41 AM

    謳歌してないですよ。
    このコメント欄のおかげで太田先生のピースをよくみかけるようになりました。

  • 武部 2017-04-07 at 11:11 AM

    独身生活謳歌してますからね。楽しそうですね。しめてやってください

  • 福原 2017-04-04 at 10:45 PM

    「ピースを恥ずかしげもなくできる最もシニアな心臓外科医」として実力を遺憾なく発揮していますね。それにしても、執刀しているフェローを放置してアテンディングが全然違うことやっている感、NYの某プログラムを彷彿とさせます。

  • KO 2017-04-04 at 11:43 AM

    あいつはその辺の報告が甘いんですわ。しっかり管理してくださいね。

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