櫻井寛久先生

福岡市立こども病院での研修

2007年4月より上田教授の御高配で福岡こども病院でのレジデントを始めました。こども病院では年間450例ほどの症例があり、赤ちゃんから大人まであらゆる先天性心疾患の外科的治療に取り組んでいます。レジデントは主治医として週に1?2例の症例を受け持ち、術前の手術説明、第一助手、術後管理と主体性をもって症例に取り組むことが要求されます、この二年間であらゆる症例を担当させて頂きました。どんな重症な症例でも主治医となれば角先生の第一助手を行い責任をもって術前術後管理を行います。術者としては年間18例執刀させて頂きました。学会活動等で当然福岡こども病院のすばらしい成績を聞いてはいましたが、実際に福岡にきてこれまで助からないと思っていた症例が元気に退院し、学会で話を聞くより遙かにすばらしい成績を実際に働くことで実感しました。福岡に来るまで日本では海外と同じような成績はシステムも違うのでとても無理ではないかと勝手に思いこんでいましたが、こども病院に来てみて日本のシステムで海外の一流施設に勝るとも劣らない成績を出すことが十分可能であることを再認識しました。そしてなにより大切なのは、特別な技術や管理ではなく、妥協せず、絶対にあきらめない姿勢であることを学んでいると思います。妥協せず、あきらめないという医療関係者にとって当たり前のことが角先生と一緒に働いて自分は全く十分でなかったと思いました。どんな重症の患者さんであっても諦めず妥協をせずに手術を行うことが患者さんを助けるということだと日々感じながら研修させて頂いています。
学会活動に関しても関連する国内学会全てに投稿し、抄録の締め切り日直前や、学会発表直前には角先生の熱い指導を受けながら睡眠時間を削って学会準備をしました。私自身は名古屋大学の大学院生として国内留学としてこども病院に在籍させて頂き、角先生から左心低形成に関してテーマを頂き臨床研究をさせて頂きました。結果的にEACTSでも発表の機会を得ることができ博士論文を書き上げることができました。EACTSの直前には担当した症例にECMOを装着することとなり、なんとかECMOを離脱したところでヨーロッパに行かせて頂き、帰国したときにはその患者さんも元気にしており、その後の管理もいろいろ難渋することもありましたが元気に退院していったのも良い思い出です。
異文化体験を伴う海外留学にも当然興味はひかれますが、今現在日本国内に海外施設と劣らない成績の病院がありそういった施設での研修をできたことは自分にとって大変幸運であったと思います。一人前の外科医になるために決まった道はなかなかないとは思いますが福岡で研修させて頂いて一流の外科医としての有るべき姿を学ぶことができたと思います。