武部 学 先生

留学施設:2014 - 2017 NYU
2017 - Lankenau Medical center

留学に必要だった資格 :NA

留学中の立場:Minimally invasive surgery/ Aortic surgery fellow

留学施設の特徴:NA

留学中の経験症例数:NA

体験記

 2014年7月から2017年6月までNYUで臨床フェローをしていました。

 最初きたときはやはりCommunicationが大変でした。Attendingとラウンドしても言っていることがわからず、また、胸腔ドレーンをいれるに関してもどういった道具があるのかがわからず、それをうまく聞く英語力がないため、本当に苦労しました。手術中もアテンディングが何をいっているかわからず、動作がどうしてもおくれてしまうため、「手術ができないひと」のレッテルをはられました。他のフェローにたすけてもらえることもなかったので、半年は鬱状態でまいにち仕事をしていました。

 半年ほどすると、NY独特の速い英語、Slangにもなれてきて、すこしずつ聞こえるようになりました。しかし時すでに遅し、そのときに出来上がっていた不名誉な噂からProgram Directorからこの状態がつづくとクビだよ、とまでいわれました。しかし、ひとりのアテンディングのサポートがあり、なんとかもちなおしました。

 英語になれてからは、手術室でのパフォーマンスもあがり、手術室外でも患者をよくみるということで評価され、徐々に信頼をえてきました。

 最終的には、難しい症例があるとお声をかけてもらったり、「Manabuがいないときには難しい症例はしない」などいわれたり、先天性のDirectorのMoscaにも先天性をやってみてはどうかすすめられたり、またアテンディングの家によんでいただいたり、旅行をしたりと非常にかわいがっていただきました。

 あらためて、書いてみるといろいろと大変でしたが、結果800件以上スクラブし、350件程度の心臓手術、50例程度の肺外科手術を執刀していました。経験は多岐におよんでいて、ロボット手術を120件経験し、執刀も5件させていただきました。25件の再開胸手術も執刀し、アテンディングがポンプにのる直前までスクラブインしないということも経験させていただきました。ひとりで再開胸手術をできる自信になりました。

 MICSも35件ほど執刀させていただきました。Mitral Repairも「本当の意味で執刀した」のは10件ほど、弁尖切除、Neo Chordaeから弁輪形成までさせていただきました。

 逆に大動脈疾患は非常にすくなく、弓部置換は1件のみ、Thoracoabdominalは1件だけでした。大動脈の経験不足が否めないので、アテンディングのすすめで、アテンディングの友人のもとで、大動脈フェローをすることになりました。とりあえず、NYUでの経験はここでひとまず終わるので、経験談として書いてみることにしました。

総括すると大変な3年間でしたが、確実に実力がつき、非常に実のある3年間でした。