岡田隆之 先生


留学施設:マレーシア国立循環器病センター Institut Jantung Negara(IJN), National Heart Institute, Malaysia

Kuala Lumpur, Malaysia


留学期間 2003.7-2005-10

留学に必要だった資格 :日本医師免許 (語学試験は導入検討中)

留学中の立場: レジストラ~シニアレジストラ

留学施設の特徴: ベッド数 270、年間症例数 2500例 (現在病院増設にて約2倍に拡充中)

留学中の経験症例数

術者 80
第一助手 400


体験談

クアラルンプールにあるマレーシア国立循環器病センターは国内最大の基幹病院であり、約2500例/年の心臓手術例のうち、先天性が700例で成人が1800例を有します。
院内公用語は英語ですが、人口比率にみあった割合で、マレー系、中華系、インド系のスタッフも働いておりました。

当時は7人のコンサルタントに各々2人程のレジデントがついたチーム構成で週3-4枠の手術室を使用しておりました。
つまり、縦2例として週6例程の手術に手洗いが可能であり、レジデントの習熟度次第では執刀のチャンスがまわってくることになります。

私は日本での心臓手術経験が‘ゼロ’に等しい状態から、当初SVG採取からはじめて、開胸、人工心肺導入と3ヶ月もしないうちにASD執刀の機会を得ました。
約400例の第一助手をして、約80例の執刀を経験しました。手術は基本的にコンサルタントとレジデントの計2名で行います。シニアと認められたレジデントは、ジュニアレジデントの第一助手で執刀する機会も得ます。

先天性心疾患専門のコンサルタントに付いた際は、その症例も小児中心になります。
成人中心のコンサルタントではConventional CABGが半数以上を占めており、内胸動脈の剥離は助手が担当し、SVG採取はジュニアレジデントまたはサージカルアシスタントが担います。

心肺移植やLVAD等も導入されておりましたが、前者は宗教上の背景等あり、後者も当時はそれほど多くのケースはありませんでした。
週1回の外来診療や、月4回ほどの当直(循環器内科医、小児科医、麻酔科医も各1名当直)で20床あるICUを中心としたマネージメントや、10床あるHDUを含めた全260床への緊急対応も経験しました。

海外との交流もさかんであり、定期的なライブやカンファレンスを通じて著名な心臓外科医の手術手技を直接学ぶ機会も多く得ました。

臨床業務以外では関西医科大学と共同の骨髄間細胞移植のプロジェクト立ち上げへの参画や、臨床経験をもとにした国内・国際学会への発表も行いました。
また現地の医学生・インターンへの教育担当や、現在も継続中である関西医科大学医学生の交換留学プログラムへも助力しました。