荒川 衛 先生

参加セミナー: JMICS 共催 MICS・EVHセミナー


JMICS 共催 MICS・EVHセミナーに参加して参りました。
東日本大震災から7年が経つ3.11に合わせて、MICSに力を入れていらっしゃる講師陣8名と、
参加者12名でMICS手技のトレーニングセミナーが開催されました。

ふくしま医療機器開発支援センターという郡山から車で10分ほどのところにある施設で行いました。
福島復興の一環で、これからの日本の医療機器開発、及びトレーニングを支援していくために建設され、
昨年オープンしました。Wet labはもちろん、模擬手術室、アンギオ室も備えており、
実臨床さながらのトレーニングを行うことができるように作られております。
さらには安全評価、慢性動物実験も行うことができる日本でも数少ない施設になると考えられます。

今回はOPCABのトレーニングキット、ビートくんで有名なEMB社が主催でJ-MICSの一部として
開催されたセミナーになります。セミナーはブタ心臓とMICSトレーニング用に開発された生体弁を模した
キットを用いて、僧帽弁弁輪形成術の技術を習得するというトレーニングになりました。

MICSの僧帽弁弁輪形成術は、右開胸からのアプローチになるので僧帽弁自体は胸骨正中切開に比べて
正面視することができます。しかしながら、創が小さいため、Working spaceが狭いことと、
さらに深いことから手技の難易度はあがります。
MICS用に開発された持針器、鉗子を使用すること、さらにはKnot pusherを使用することが
通常の手技と大きく違うと考えます。

まずは、練習なしで、MICS僧帽弁弁輪形成術を行い、講師の評価を受けました。
その際にも少し留意点を教わりながら、弁輪の糸かけ、糸結びを行いました。
私個人は、MICS僧帽弁弁輪形成術はセミナーでWet labを行なって以来で、実に一年ぶりでした。
MICS持針器の使用方法は糸掛をしていくに従って感じを取り戻しましたが、
講師の先生からは持針器の運針よりも左手でどう視野を展開するかというところをご指導いただきました。
最初、Knot pusherを用いた糸結びは散々で緩みが多く、とても臨床で使用できる技術ではありませんでした。

そのあと、Luncheon Seminar でトレーニングについての講義を受けました。
私個人も、本ホームページにパイロットのトレーニングの記事を書かせていただきましたが、
どういうトレーニング受けたら良いか、さらには、どういうマインドセットで
トレーニングを行えばよいかということが議題にあげられました。さらには、
指導者側がラーニングステージのトレーニーにどう接すればよいかもあげられていました。

具体的には Dreyfus モデルと、GRITという言葉を新しく知りました。

Dreyfusモデルでは Novice/Advanced Beginner/Competent/Proficiency/Expert

というPhaseがあり各Phase毎に、「不可能ではないが、努力をすれば実現可能な目標」
を設定してトレーニングを行うということが成長への鍵ということが述べられているようです。
さらに「GRIT力」というやり抜く力が必要で、Open mind setとClosed mind setという、
常に成長を望む姿勢で物事に取り組む重要性が述べられました。

(詳細が知りたい方はDreyfus model, GRIT力, Open mindsetなどで検索を)

午後は、自主練習の時間が用意されていて、引き続き豚の心臓を使用するグループと、
EBM社のシュミレーターを使用し練習するグループに分かれて、
最後にランダムに割り当てられたペアで、実技評価を受け、初期評価と比較するというトレーニングでした。

トレーニングセットが、簡便かつリアリティがあって、自作できないかと思いました。
iPhoneの録画機能を使用しており、同時にライトも使用。さらには大画面に投影され、
鏡視下の雰囲気も味わうことができました。シュミレーターはリアリティを追求しすぎると
高価になりがちでありますが、手持ちのものを使用して、反復練習ができるキットがあれば
個人練習に十分使用できると思います。

最終的には初期評価と、トレーニング後の評価表をいただき、1日で進歩を感じることができる
トレーニングセミナーでした。

今後、JAYCSでも有意義なOff JTを提供できるように努めていきたいと考えます。

練馬光が丘病院
荒川 衛