山田敏之 先生

ハンズオン体験記

参加セミナー: メドトロニック アカデミア トレーニングプログラム

Next Standard ~MICS Approach for Valvular Diseases
次世代の心臓外科手術をエキスパートと共に体験する


施設:メドトロニック イノベーションセンター
〒210-0821 神奈川県川崎市川崎区殿町3丁目25-10 Tel. 044-280-5100

日時:
第1回 2017年 10月22日(日)
第2回 2018年 1月13日(土)
第3回 2018 年4月8日(日)

講師:
基礎レクチャー講師
田端 実 先生(東京ベイ・浦安市川医療センター)(第1・2回)
西 宏之 先生(大阪警察病院)(第1・2・3回)
阿部 恒平 先生(聖路加国際病院) (第3回)

ゲスト講師
伊藤 敏明 先生(名古屋第一赤十字病院)(第2回)
坂口 太一 先生(心臓病センター榊原病院) (第3回)


〜概要〜
 本トレーニングプログラムは、日本メドトロニック株式会社主催(日本低侵襲心臓手術学会:J-MICS 共催)
で「MICSに関するレクチャーやシミュレーターを用いたハンズオンを少人数制で実施し、
低侵襲な心臓手術を安全に行うために、適応、手術手技、ピットフォールをエキスパートの先生より
ご指導いただきながら体験できるプログラム」として年に数回開催されています。

 私は、第1回のトレーニングプログラムに受講者として参加いたしました。
また、株式会社ファソテックと共同開発したMICSシミュレーターが本ハンズオンに採用されましたので、
オブザーバーとしても参加させていただいています。田端先生・西先生によるコーディネートのもと、
メドトロニック社の充実したトレーニング施設 と実際の医療機器
(人工弁輪 CGフューチャー:日本メドトロニック株式会社、
糸針 タイクロン:コヴィディエンジャパン株式会社、内視鏡:カールストルツ社製)を使用し、
さらにEMIファクトリー社・ファソテック社の2種類のMICSシミュレーター、
株式会社ユニメディック(ドイツ・ガイスター社製MICS用鋼製小物)が実際の手術機器を提供するという、
「MICSの基本的手技の習得」だけでなく「本物のMICS手術さながらのハンズオン」が実現いたしました。

 本プログラムの受講者は、既に正中切開での僧帽弁形成術を施術された経験があり、
今後MICS手術を始めようとしている心臓外科医が対象になります。また受講者の中には、
これからMICSを始める先生だけではなく、すでにMICS手術をある程度経験されており、
更なる技術の向上を目的として、参加された先生もいらっしゃいました。


〜内容の特徴(座学&ハンズオン)〜
 まずはMICSのキーポイントやピットフォールを座学で学びました。その内容は非常に充実しており、
しかもシンプルで、さらに実際の症例提示も豊富です。受講者からも質問が相次ぎ、
活発な議論が繰り広げられました。
 その後、実際にハンズオンでその技術をみっちりと学びました。ハンズオンの特徴は、
本会では動物モデルを使用せず、疑似心臓を使用し、MICSに特化した2種類の手術シミュレーターと、
実際のMICSで使用する手術器具のほぼ全て使用する、という点です。


〜シミュレーターの紹介〜
 ハンズオンでは、BasicスキルとAdvancedスキルの2点が学べます。

① Go surgeons(株式会社EMIファクトリー社)
 本シミュレーターでは、Basicスキル(ロングシャフト持針器・鑷子を用いた運針、
ノットプッシャーを用いた結紮、内視鏡下での手術手技、等)がトレーニング可能です。
内視鏡モニター兼タブレット端末として使用できるモニターで、専用のアプリで
豪華講師陣の手術手技を動画で学びながら、BasicなMICS手技を内視鏡下でトレーニングします。
(MICS用持針器と鑷子もついています。アマゾンで購入可能!!) → http://amzn.asia/ekgINCc
最終的には、講師の先生によりその技術を採点(J-MICS公認の技術評価表)していただきます。

② MICSシミュレーター (株式会社ファソテック)
 本シミュレーターは、Advancedスキル(右側左房切開、左房の展開、弁輪の糸かけ、
人工弁輪縫着、内視鏡操作、等)がトレーニング可能です。本シミュレーターの設計においては、
胸腔シミュレーターに関しては、平均的男性(身長170cm、体重70kg、胸囲90cm)体格を
ベースに設計し、心臓モデルに関しては、心臓CTデータを用いて3Dprinting技術が用いられ、
心臓モデルの質感は豚の心臓の各部位を工学的に測定したデータを基にしています
( Innovations (Phila). 2017 Nov/Dec;12(6):459-465. )
つまり実際の人体と同等であるシミュレーターであり、実際の鋼製小物のセッティングから、
人工弁輪縫着、内視鏡操作まで、一連のMICSの流れをストーリーとしてトレーニング可能です。
こちらも最終的には、講師の先生によりその技術を採点(J-MICS公認の技術評価表)していただきます。

〜まとめ〜
 実際に受講者として参加してみて、その内容の充実度に非常に満足しています。
エキスパートの先生に直接的なレクチャーを受けながら、Basicなトレーニングから、
ほぼ実際の手術を模したAdvancedなトレーニングまで経験可能であるからです。
また、オブザーバーの立場として本ハンズオンの満足度調査を行っておりますが、
非常に高い評価をいただいております。

 私個人としてはGo surgeonsを購入しこっそりと自主トレを行なっています。
こちらはアプリコンテンツが随時更新されるとのことですから、若手心臓外科医のMICS入門として
ピッタリであると感じています。また、個人的なスキルを上げると同時に、
実際の臨床の現場でMICSを導入する際には、再度チームでMICSのストーリーを勉強・確認するために
本ハンズオンを活用させていただけたらと思いました。